『INTP型自分の取扱説明書』で自分と向き合う
最近Kindle Unlimitedで気になった本を読んでいるのだが、その中でも『INTP型自分の取扱説明書』という本が気になって読んだ。
MBTIにおける16の分類のうちの1つであるINTP型に対する解説書だ。『The INTP Personality Careers Relationships & the Quest for Truth and Meaning』という本を要約した内容らしい。10年以上前からMBTI好きでINTPの自分にとって読まない手はなかった。
本の内容の抜粋と要約
まず、ユングのタイプ論で定義される、意思決定の際に働く内面の機能を心理機能と呼び、以下の4つの機能がある
- 思考(Thinking)
- 直感(iNtuition)
- 感覚(Sensing)
- 感情(Feeling)
これらを外交的(Extraverted)と内向的(Introverted)に分けることで以下の8つの心理機能がある。(各機能の特徴などは 心理機能とは - 16タイプの性格分類まとめ Wiki* などを参照)
- 外向的感覚(Se)
- 内向的感覚(Si)
- 外向的直観(Ne)
- 内向的直観(Ni)
- 外向的思考(Te)
- 内向的思考(Ti)
- 外向的感情(Fe)
- 内向的感情(Fi)
MBTIでは、16個のタイプそれぞれで4つの心理機能を持つ。発達している順に第一機能(主機能)、第二機能(補助機能)、第三機能(代替機能)、第四機能(劣等機能)という。INTPの場合は以下である。
- 主機能:内向的思考(Ti)
- 補助機能:外交的直感(Ne)
- 代替機能:内向的感覚(Si)
- 劣等機能:外交的感情(Fe)
INTPは、感情(Fe)より思考(Ti)を元に意思決定を行う。いわゆる考えてから行動するタイプ。また、考えるときに過去の経験や既存の方法(Si)ではなく新しい独自の方法(Ne)を生み出したいタイプ。
INTPの4つの心理機能をバランス良く活用することで、以下の好循環で高いパフォーマンスを出せる。
- 思考を働かせて問題解決のため独自のプロセスを構築
- 直感によって他の分野から応用できそうな方法を取り入れる
- 過去の経験を参考に、自分にとって納得感のあるプロセスを特定する
- 周りの感情を考慮して、win-winになるように行動する
- 行動することで経験値がたまり更に高レベルのプロセスを考えることができる
ただし、バランスが崩れると以下のような問題が発生する。
思考と直感の喧嘩
答えを求めたい思考(Ti)と他の正解を探索したい直感(Ne)が対立する。結果的に何も決めれなくなる。これを回避するためには、自分の中に基礎となる理論や哲学(自分はどういう人間で何をしたら幸せなのか)が必要。これには、正解がわからない中で前に進む、深く考えず行動して経験を得るといったことが必要。
思考に行動が伴わない
物事の意味を探索すること(Ne)とその中で行動すること(Si)の間で対立する。INTPの幸せは興味深い発見やひらめき(Ne)に依存している。そういったインスピレーションを必要とすることには好不調の波があるので、不安定な状態になりやすい。これを回避するには、何も考えず手を動かす(Siを働かせる)ことで不調を抜け出すきっかけになる。
自己満足なアウトプットになりがち
思考(Ti)は他者にオープンというよりは、自分にとって納得できる方向でロジックを組む。他人の意見を加味することが苦手となる。これを回避するには、Neにより自分の考えから一旦離れ異なる目線から思考したり、Feにより相手の目線にたって思考する。
また、INTPは基本的に1人の時間を好む。しかしずっと1人が良いわけではなく、Neによる他分野の学習やFeによる承認欲求や他者貢献のため人と関わりたいときがある。無目的で人関わることは避ける。直接他者と関わらなくても周りに人がいるだけでエネルギーを得られるので、いるだけで良いゆるいコミュニティに所属すると良い。
感想
自分が唯一得意かもしれないと思っている、「他分野で成功している方法を自分問題分野への応用すること」が内向的思考(Ti)と外交的直感(Ne)の機能によって説明されていて面白いと思った。挙げられている3つの問題も完全にそのとおりで、気をつけなければと思う。最近は不調の波にいることは自覚しており、思いついたものを深く考えず作っているので、意外と問題解決の行動ができているのでは?と思えてきた。INTPのキャリアについて本にも書かれているが、思考と直感のバランスをとるために自分自身の指針みたいなものを持たないといけなく、これには自分の中の理論やアイデアを実際に試行錯誤する必要があり、基本的にキャリアの連続性を重視する労働市場とはめちゃくちゃ相性が悪いのではと思った。
他者との関わりの部分もそのとおりで、カフェなどの少し雑音がある空間が好きなのもINTPの機能からなのかもしれない。ゆるいコミュニティを求む。
第四機能ではあるが外交的感情(Fe)があるとおり、誰かの助けのために行動するのは割と好きだ(これが行き過ぎると承認欲求につながるのだろうけど)。自分がしたいことというよりは、誰かの助けになることを選んでいった方が良い方向にいくのかもと思った。